小鳥用保温器の比較と案内

※小鳥用の保温器(暖房機)には、ヒナ用と成鳥用の違いがあります※

ヒナに適した保温器(止まり木に止まれない状態の看護時)

 ヒナ用はヒナの寝ている容器の下に置き、床暖房のようにして温めるものです。しかし、大きくなって止まり木の上で生活するようになると、ほとんど意味がなくなってしまいますのでご注意ください。

ヒナ用ヒーターの例

みどり商会『ピタリ適温1号』 GEX『ホッとあったかヒーター ミニ』

 多重安全装置付き遠赤外線温熱マット。
 高感度センサーが外気温を感知し表面温度を変化させナチュラルな温熱環境をつくる。
【本体サイズ】18×15cm
【消費電力】 7W

 耐熱合成樹脂被覆コード状ヒーター。
 ノンスリップ形状で足が滑らず安心。
 簡単な水洗い可能。
 表裏で温度が選べる。
【本体サイズ】19.8×14.7
【消費電力】 3.5W
   

 『ピタリ適温』などは、センサーでとらえた外気温にあわせて表面温度を調節することで一定の温度を保ちます。また遠赤外線を放射するので、実際の温度以上にヒナを体の中から温める効果があります。

※遠赤外線は目に見えず、空気そのものも暖めませんが、生き物の体内に浸透し体内温度を上昇させます。冬の日なたなどが外気温以上に暖かく感じるのは遠赤外線の効果で、生体の代謝を良くし成長を促進するとも考えられています。

 これに対して『ホッとあったかヒーター ミニ』のような「あんか」タイプの暖房機は、あらかじめ設定された表面温度以下ではON、以上になるとOFF、つまり、通電されているかされていないかの2つの状態しかないので、平均的には30数度とされていても温度ムラが生じてしまいます。
 この温度ムラによる高温時の用心のため、ヒナ飼育の際の保温器とする場合は、
容器の一部を暖房機の上に乗らないようにする必要があります。

 

プラケースやフゴなどの下に敷きます。
※写真の『ピタリ適温』は旧タイプの物です。

 あんかタイプでは半分くらい乗らないように
調節します。

 実際にどの程度の温度になるか、使用する前に
実験しましょう(目安28℃±4℃)。

 

成鳥に適した保温器(止まり木に止まれる状態の看護時)

 小鳥は習性として上下段の止まり木の上段で休みます。したがって、その保温のための暖房機は、床ではなく、上段の側面や天井方向に設置する必要があります。
 

マルカン『保温電球カバー付き』

みどり商会『暖突』

 赤外線を放射して周囲の空気を暖める電球型のヒーター 。
 スチール製のカバーで保護されているので鳥が電球に直接触れる心配がなく、万一の破損の際にも危険が少ない。
 光がほとんどないので、安眠を妨げない。

【本体サイズ】 20W 6×13.3cm/
   40W
7,5×16.4cm/100W 9.5×17cm
【暖房力目安】 
(60×45×45cmの水槽で)
    
20W 室温+4℃/40W +7℃/100W+15℃

 輻射型遠赤外線上部ヒーター。
 遠赤外線を放射し温めた熱を輻射により効率的に下方向へつたえる。
 電球などの交換が不要。

【本体サイズ】 S 19×13cm/M 25×20cm
【消費電力】 
S 13W(暖房効率は保温電球40W相当)
                         
M 32W(暖房効率は保温電球100W相当)


※ 旭光の保温器や『暖突』の大きなサイズなどはお取り寄せ可能です。遠慮なくお問い合わせください。

【設置の仕方と留意点】(使用前には説明書必読)

 『保温電球20W』は、暖房力も弱く金属のカバーも30℃程度にしかならないので、水がかからない位置であれば、鳥カゴの中に設置することが出来ます(写真はGB社のケージ365Sに20Wを設置)
 空気を暖める力は不足するので、〜℃にするための熱源とするよりも、鳥の近くに設置して遠赤外線効果で
体が寒くならないようにするものと考えたほうが良いかもしれません。
 それでも鳥カゴをビニールで囲い、さらにカバーなどをかぶせると、内部温度を
10℃以上も上昇させる可能性があります。ご使用の前に、温度計でどの程度温度が上がるか確認し、上昇しすぎるようなら外気が入るようにしたり、サーモスタット
(温度調節器)を導入した方が良いでしょう。

 『保温電球40W・100W』は、カゴに入れるには大きく、本体とカゴとのすき間が広くなってしまうため、器具に小鳥が挟まるような事故が起きかねません。またカバー部分も熱くなるので、カゴの外側に設置した方が無難でしょう。
 鳥カゴでそのまま使用するのであれば、問題は起きづらいはずですが、カゴを温室の中に入れたり、カバーを掛けたりする場合は、40℃以上になってしまう可能性があるので、
過暖房防止のためサーモスタット
(温度調節器)を導入したほうが良いでしょう。

【参考】温室での暖房効果実験

 カゴ(365S)に防寒カバーをかぶせ、20W保温電球を点灯する。
 上段の止まり木に温度計を設置。

 室温20.3℃
   ・内部23.8℃

      +3.5℃


 左の状態の上にダンボールをかぶせる。


 室温19.7℃
    ・内部28.3℃

       +8.6℃

 ※ 基本的には普通の電球と同様で、電球をゆるく差し込んでいたり、水をかけたりしなければ、安全な電気器具です。
 ※ 20、40Wの電球には万一の破裂の際の飛び散り防止のために、少しべたつく塗料がコーティングされています。ふき取らないようにしましょう。

 ※ 100W保温電球(セラミックヒーター)や『暖突』は通電を目で確認することが出来ません。
 

【参考】温室での暖房効果実験

 カゴ(365S)に防寒カバーをかぶせ、暖突Sを天井部分に設置する。
 上段の止まり木に温度計を設置。

 室温20.0℃
   ・内部23.8℃

      +3.8℃


 左の状態の上にダンボールをかぶせる。

 
室温19.8℃
    ・内部27.0℃

       +7.2℃

 

  実験では保温電球の実験と同一条件とするため、
カゴの内側の天井に設置しました。
 カゴの外に適当な網を置き、付属のボルトを通すだ
けなので、設置は案外簡単です。

 

【参考】温室での暖房効果実験2

 木製枠つきガラス飼育ケース『キュービー25』の天井部分に、暖突Sを設置して1時間以上通電。
 

 室温16.0℃
   ・内部26.0℃

     +10.0℃


 左の状態の上にダンボールをかぶせ、1時間以上通電。

 
室温14.0℃
    ・内部31.0℃

     +17.0℃

 ダンボールをかぶせた状態に、さらに底に『ピタリ適温1号』を敷き、暖突をサーモスタット(温度調節器)に接続、28℃設定で一晩通電し、最低、最高温度を測ったところ、最低25.1℃、最高28.1℃でした。 


【備考】サーモスタットについて

 例えば、28℃で一定にしたい場合、100W保温電球を付けっぱなしにすると+15℃になる環境では、外気温が14℃以上だと過暖房になってしまいます。
 そういった心配がある場合、サーモスタットを使用すると、設定温度以上になれば自動的に熱源となる保温器の電源を切り、設定温度より下がりすぎるようなら自動的に電源を入れて、
温度を一定にしてくれるので安心です。

※ 過暖房の可能性のある場合に必要なものですが、防寒目的程度でカゴを密閉空間にせず保温器を使用する場合は必要ありません。
 


 電子式(計測した温度によって対応する方式)空中・水中兼用サーモスタット。
 設定温度15℃〜35℃。
 310Wまで接続可能。

 

 
 
       飼育環境や考え方によって保温の方法はさまざまですので、
                             お考えにあわせて製品をお選び頂ければ幸いです。

 

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